未来を創る研究開発NTT R&Dフォーラム2017
 Open the Way

イノベーションを起こし続けることは、より豊かな未来を実現していくために必要な取り組みです。NTTグループは、新しい価値創造をめざし、基礎研究から応用研究まで多岐にわたる研究開発を行っています。
ここでは、 2017年2月16・17日に東京都武蔵野市のNTT武蔵野研究開発センタにて開催された、NTTの研究開発成果を一挙に紹介する年に一度のイベント「NTT R&Dフォーラム 2017」で発表された展示をピックアップしてご紹介します。

2020年とその先の社会を体感する スポーツ × ICT

Kirari!

臨場感のある観戦体験を

Kirari! 紹介ムービー
【R&Dフォーラム2017】

2020年。4K・8K放送の普及により、世界各地の視聴者がテレビやパブリックビューイングでスポーツの感動を共有していることが予想されます。
NTTは、「競技空間をまるごとリアルタイムに世界に配信する」ことをめざし、2015年のR&Dフォーラムで「イマーシブプレゼンス技術Kirari!」を発表。3年目となる今年のR&Dフォーラムでは、より進化したKirari!を体験できました。様々な環境で被写体をリアルタイムに・精緻に抽出する技術、視野角180度以上の複数4K映像をリアルタイムにつなぎ合わせるスティッチング技術、音が飛び出す、かつ広範囲な受聴エリアに対応した高臨場音像定位技術、映像・音声と共に空間的な情報を低遅延で同期伝送させる技術を組み合わせ、当日は遠方にいるNTTの研究員の3D映像がステージ上に現れ、まるでそこにいるかのような自然さで司会者とやりとりしていました。
また、パブリックビューイングを想定した柔道 ベイカー茉秋選手の試合デモンストレーションもあり、新たな観戦スタイルを期待させる内容でした。

Mixed Reality
技術

新たなトレーニング・
スポーツ体験を

NTTが研究してきた高臨場映像技術、触覚技術、機能素材hitoe®による生体情報収集・解析技術などを応用した「Mixed Reality技術」。フォーラムの来場者に実体験してもらおうと、屋外の特設ブースに2つのコーナーが設けられていました。
ブースでVRゴーグルを装着すると、まるで自分がコートに立っているかのような臨場感あふれる映像が広がります。そして、目の前に現れたプロテニスプレイヤーの錦織圭選手からは強烈なサーブを受けて「ラケットとボールの当たり判定」に基づく動作に応じた触覚を、大宮アルディージャのMF 横谷繁選手からは振り切ったシュートを受ける感覚を体感できました。このうち、VRの映像技術はもともとスポーツのトレーニング用に研究されてきたもので、通常のビデオより試合に近い感覚で対戦相手を見ることができ、集中力が高まるのだそう。これに触覚技術などを加えることで、スポーツを「観る」「観せる」「魅せる」新たなファンサービスの提供が実現できそうです。

2020年とその先の社会を体感する 伝統芸能 × ICT

変身歌舞伎

研究所の先端技術の活用により
歌舞伎文化を新感覚で体感

変身歌舞伎 紹介ムービー
【R&Dフォーラム2017】

歌舞伎独特の化粧法である隈取をモチーフに、NTTの先端技術を組み合わせた展示実験である「変身歌舞伎」。2016年より国内外の複数の展示会に出展し、好評を得てきました。今年のR&Dフォーラムでも、体験者が手に取った隈取のお面を「アングルフリー物体検索技術」によって自動認識して、モニター上で体験者の顔にAR重畳表示させるというインタラクティブな展示を行いました。また、巨大な立体顔面オブジェクトに歌舞伎特有の間や表情といったダイナミックな演出と共に体験者の顔をプロジェクションマッピングしたり、壁面に掛けられた動くはずのない隈取のお面に、止まった画像にリアルな動きの印象を与える光投影技術「変幻灯」によって多彩な表情を加える、などの展示もあわせて行われました。

2020年とその先の社会を体感する ナビゲーション × ICT

SKY
COMPASS

ドローンを用い、
新たなナビゲーションを

SKY COMPASS 紹介ムービー
【R&Dフォーラム2017】

オーストリアのリンツ市を拠点とし、メディアアートに関する研究・教育・社会活動を行ってきた「アルスエレクトロニカ」のR&D部門である「フューチャーラボ」とNTTによる共同プロジェクト「SKY COMPASS」。これは、2020年とその先を見据え、フューチャーラボが研究を進めてきたドローンプロジェクト「Spaxels」と、音声認識やデバイス制御機能「R-env:連舞™」、混雑予測といったNTTの技術を組み合わせ、空をナビゲーションのメディアとして位置づけて活用することをめざした活動です。
R&Dフォーラム内では、個人・数名の集団・街全体それぞれでの活用イメージのデモが行われました。「もしも、2020年に2020台のドローンを用いて空に標識を作ったり、試合結果を伝えたりできたら?」という常識にとらわれないデモンストレーションに、多くの来場者が足を止めて見入っていました。

世界を変えていく技術を体感する AI関連技術“corevo”

corevo
for Drivers

AIを駆使したサポートで
新しいドライブを

車の運転席を模したデモ機が目を引くブースで行われていたのは、NTTグループのAI技術「corevo™(コレボ)」を活用してドライバーをサポートするデモンストレーション。具体的には、3種類のAIを組み合わせて実現しています。1つ目は生体情報を分析、体調を推定するAI。「昨日はよく眠れなかったみたいだね」など、安全運転の注意を促してくれます。2つ目はドライブレコーダーや車に搭載された各種センサーの情報を分析し、ルート上にある危険箇所の注意喚起をしてくれるAI。そして、3つ目が、対話を通じて、ドライバーの気持ちを察して「この先にフレンチのお店がある」などと教えてくれるAIです。1人で運転していても心強いナビゲーターが同乗しているイメージです。なお、騒音の多い車内で間違いの少ない音声認識を可能にするため、インテリジェントマイク技術という高度な技術も使われています。

corevoについて詳しくはこちら

世界を変えていく技術を体感する ウェラブル生体センサ hitoe®

hitoe®

機能素材「hitoe®」を
医療やスポーツ分野など
様々に活用

着るだけで心拍数や心電波形などの生体情報を計測できる機能素材「hitoe®」。スポーツや医療、介護、作業者の安全管理など様々な分野で実用化が始まっており、今回のフォーラムでも多くの活用事例が紹介されていました。スポーツにおける活用例として、屋外の特設ブースでhitoe®を着用してロードバイクを漕ぐデモンストレーションが行われていました。hitoe®が集めた心拍数やスピードなどのデータはハンドル上のスマホへ送られ、自分の状態をリアルタイムに把握できます。これらのデータを解析し、残りの体力であるHP(ヒットポイント)を推定して表示。あとどれくらい漕げるかの判断材料となる情報を提供していました。
2016年には一般医療機器としての届出・登録が行われたことで、医療用途での使用ができるようになったとのこと。患者の負担なく、着るだけで潜在的な心疾患の発見・特定に活用するなど、新たな医療ICTサービスが可能になるかもしれません。また、リハビリの分野においても、専門施設以外での訓練状況をhitoe®を用いて測定することで、効果的なリハビリができるようになりそうです。

世界を変えていく技術を体感する 量子ニューラルネットワーク

量子ニューラル
ネットワーク

未来の技術を、
NTTが現実に近づける

NTTは、長年培ってきた量子コンピューティング技術および光ネットワーク技術を活用し、光を使って難問を解くコンピューターの開発に成功しました。
現代のコンピューターを上回る性能を実証してみせたこのマシンは、レーザ光のさまざまな性質を用いて構成された新しい原理の計算機。 例えば、『1,000人の人間を2グループに分ける際に"互いに嫌いあっている人"が同じグループになる可能性が一番低い組み合わせを選ぶ』といったような膨大な量の計算が必要になる『組み合わせ最適化問題』も、好成績な解が自然に導きだすことができます。
複雑化が進む通信ネットワークや電力網の最適効率化や、新薬の開発などに大きな力を発揮しそうです。これからの研究の進展に期待がかかります。

量子ニューラルネットワーク
について詳しくはこちら

IoT時代の
セキュリティ

不正なIoT機器が
入り込むことを防ぐ

世界中でIoT機器が普及してくると、問題になってくるのはセキュリティ。NTTは、IoT機器同士が連携する際に不正な機器が入り込まないように制御する仕組みを開発。人間が介在することなく自立的に、許可された機器同士で作業する仕組みを実現しました。大きな特徴は、オフライン環境でもIoT機器間のなりすましが防げること。カーシェアリングのユーザー認証など、幅広く応用ができそうです。
R&Dフォーラムでは、この技術をベースとして、配送センターから飛び立ったドローンが、人の手を介さずとも自動的に正しい宛先の宅配ボックスに荷物を届ける、というデモンストレーションを行っていました。

自動障害箇所推定

障害箇所を自動推定し、ネットワークの障害復旧を迅速に

人と社会を支える重要なインフラとなったネットワーク。
これまでは、大規模で複雑なネットワークに障害が発生した際、高いスキルを有する保守担当者が時間をかけて分析・原因特定を行ってきました。
NTTは、蓄積された情報を学習し、障害箇所を自動推定することのできるシステムの研究開発に取り組んでいます。
この推定システムにより、保守担当者のスキルに関わらず、迅速に障害原因を特定してネットワークを復旧させることが可能になりそうです。
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